【第1部】不動産売買における登記申請事件
新型コロナウイルス感染症、COVID-19(CoronaVirus Disease 2019)、ダイヤモンド・プリンス、自衛隊、政府新型コロナウィルス感染症対策専門家会議、政府新型コロナウイルス感染症対策本部、政府新型コロナウィルス感染症対策分科会、厚生労働省アドバイザリーボード、提言、議事録、議事概要、コロナ担当大臣、感染症法、指定感染症、新型インフルエンザ等特別措置法、37.5度・4日間、我々から見れば誤解、一つの目安、ソーシャル・ディスタンス、アクリル板、フェイスシールド、高齢者施設、感染防御、社会経済活動、生ワクチン、不活化、検査体制の拡充、桁違い、感染症学、免疫学、公衆衛生学、呼吸器学、呼吸器内科、医系技官、臨床検査技師、日本感染症学会、日本環境感染学会、学会専門医、学会指導医、主任教授、特任教授、客員教授、医師会、保健所、医療従事者、帰国者接触者外来、発熱外来、民間検査、PCRセンター、ドライブスルーPCR検査、いつでも・どこでも・なんかいでも、いつでも・どこでも・だれでも、社会的検査、医療検査、プーリング法、全自動、下水道検査、キャパシティー、国立感染症研究所、クラスター、クラスター班、アウトブレイク、オーバーシュート、ステイホーム、ステイ・アット・ホーム、感染しない・感染させない、国立国際医療研究センター、東京都モニタリング会議、WHO、パンデミック、ジョンズ・ホプキンス大学、本日の新規感染者数、集団免疫、アビガン、ステロイド、アクテムラ、薬事承認、緊急使用許可、適用外処方、急変、自宅療養、宿泊療養施設、重症化率、致死率、感染者数、死者数、味覚障害、嗅覚障害、倦怠感、サイトカインストーム、多臓器不全、血栓症、心筋梗塞、心筋炎、リモートワーク、新しい生活様式、ポストコロナ、実効再生産数、指数関数的増加、過去最多、ロックダウン、マスク、手洗い、消毒、三蜜、接触感染、飛沫感染、エアロゾル感染(準空気感染)、マスク会食、ウィズコロナ、ハンマー&ダンス、エンベロープウィルス、アルコール消毒、次亜塩素酸、PCR検査、偽陰性、偽陽性、特異度、感度、陰性証明、感度70%、行政検査、精密医療、無症状、軽・中等症、重症、重篤、集団住民訴訟、サイレントキャリア、後遺症、ファクターX、交差免疫、第3波、逼迫、医療崩壊、トリアージ、命の選別、インバウンド、マイクロツーリズム、緊急事態宣言、自粛要請、営業時間制限、倒産、自主廃業、失業、持続化給付金、緊急小口資金、神のみぞ知る、コロナ疲れ、抗体検査、抗原検査、駅前検査、価格破壊、検査難民、GoToキャンペーン、勝負の三週間、ステーキ会食、国民の誤解、東京都発熱相談センター、電話繋がらない、医療9団体、風前の灯火、医療緊急事態宣言、高級ステーキ会食、静かな年末年始、我が国初コロナ感染国会議員死去、変異種、イギリス型変異ウィルス、12月25日国内初イギリス型変異ウィルス感染者確認、南アフリカ型変異ウィルス、12月28日国内初南アフリカ型変異ウィルス感染者確認、病原体ゲノム解析、遺伝子配列、入国制限、水際対策、感染率170%、スパイク、レセプター、第三相試験、安全性、有効性、副反応、副作用、アナフィラキシーショック、モノクローナル抗体、抗体カクテル、ファイザー、ビオンテック、モデルナ、-75°C以下、2回接種、mRNAワクチン・・・・・。
皆さん
2021年(令和3年)
新年 明けましておめでとう御座います
本年が良い年でありますように
昨年はコロナで始まりコロナで終わった散々な1年でした。2019年12月8日、日本で未知のウィルスの存在が報じられ、昨年の1月15日に我が国でも初めての感染者が確認されました。
2020年1月30日、政府は閣議決定により内閣に首相を本部長とする新型コロナウィルス感染症対策本部(後に設置根拠は新型インフルエンザ等対策特別措置法)を開設し、同年2月14日、その直轄に医学的見地からの助言機関として新型コロナウィルス感染症対策専門家会議(略称 政府専門家会議)を設置して、政府の医学的な主要助言機関として、この国における未知のウィルス対策を指揮してきました。
その後、同年7月3日、新型コロナウィルス感染症対策本部の決定により、新型インフルエンザ等対策閣僚会議の諮問機関として設置されている新型インフルエンザ等対策有識者会議の下に、政府新型コロナウィルス感染症対策専門家会議の会議拡充を目的にこの政府専門家会議が廃止され、新たに厚生労働省を背景とする政府専門家会議の医学系主要構成員が転籍した新型コロナウィルス感染症対策分科会(略称 政府新型コロナ対策分科会)が発足して、新型コロナウィルス感染症対策本部及び新型インフルエンザ等有識者会議の新型コロナウィルス感染症対策主要政策提言機関として現在に至っています。
この国の未知のウィルスに対する対策を一手に握った旧政府専門家会議、そしてそれを引継いだ厚生労働省を背景とした医学系主要構成員を中心とする政府新型コロナ対策分科会は、第1波、第2波、第3波と政府の中で中心的な政策提言機関として強い影響力を示してきましたが、果たして成果は出ているといっていいでしょうか。
あれから1年になります。他のアジアや南半球の国では、もう既に社会経済活動が再開され、元の日常を取戻している国は幾つもあります。現在(いま)は有事に例えられます。我々が求めるものは「結果」です。丁寧な言葉使いや紳士的な態度ではありません。新型コロナウィルス感染症は、収束するどころか感染者数は逆に増加していて、全国で毎日3,000人を超える程になっており、昨年末は4,000人に迫る日も出てきています。そして、累計感染者数は21万人超、死者数は3,000人超でアジアで最悪です。介護施設の高齢者は、家族との面会はガラス越しで、命の危険に曝されています。そして、毎日10人単位でどんどん人が亡くなっているのがこの国の現状です。
自粛要請に異論を唱える人達の声や感染の恐怖から身を守ろうとする人達に対する逆差別ばかりが毎日強調されていますが、「感染しない権利」は認められないのでしょうか。
2020年 2度目の敗戦
「ウィズコロナ」は 嘘だったんです。
それは 利己主義者(だれか)が大衆(ひとびと)を魔法に掛ける呪文(ことば)だったんです
そもそも未知のウィルスと一緒に暮らすなんてあり得ない話です。
議事録は非公開で、感染症法はこのコロナ禍が終わってから改正し、最初からPCR検査を積極的にしない事を決め、マスク等とクラスター対策で対処しようと考えた事に当てが外れて、ブレーキの掛からない政府のGoToキャンペーンに慌てたとしたら、それは初めからボタンの掛け違った政策に翻弄されている無実の国民に対し、とても冷酷な仕打ちです。
旧政府専門家会議や政府新型コロナ対策分科会の提言内容では全く歯が立ちません。
従来のウィルスや細菌の対処方法の1つの指針である感染者確認数や重症者病床数より、無症状者に焦点を当て、この未知のウイルスである新型コロナウィルス感染症に対策する事の方が有効であるように思いますが、いかがでしょうか?
何故なら この未知のウィルスは 無症状者が感染を拡大させているからです
当初、若い世代は比較的安全で、高齢者は危険という話がありましたが、徐々にコロナの特徴が明らかになると、サイトカインストームでの多臓器不全や血栓症で若年層が亡くなったり、回復しても長い間の重い後遺症で苦しんでいる人も多くいるようです。
当時、インフルエンザより怖くないといういわゆる「正しく恐れる論」を唱える医師もいましたが、今は流石に影を潜めました。
未知の感染症の怖さが解っていなかったんですね。
今年は、ワクチンの年になります。副反応を問題視する一部の専門家もいますので、不安はあるでしょう。何とかこのワクチンが安全かつ有効に機能して欲しいところです。
そして、僕達の合言葉は
「 感染しない 感染させない 」
この暗黒のような毎日から早く脱したいと思う日本国民の願いと共に。
さて、今年最初の法務実務セミナーは、新春という事もあり、メッセージを込めた内容になります。
今年も宜しくお願いします。
第14回 不動産売買の登記申請事件におけるオンライン申請
- 司法書士と登記官 -
(2021年1月3日(日) 公開)
皆さんはいつオンライン申請が導入されたかご存知ですか?
昨年、連続在任日数も通算在任日数も憲政史上最長となった安倍内閣が退陣し、9月16日に菅新内閣が発足しました。政権の大方針の中にデジタル庁の創設がり、政府挙げてデジタル政府の推進に邁進しています。
登記法の手続きも既に世界のIT化の波が押寄せて来ていて、今般、法務省もこの新内閣の方針に則り、更に電子化を推進する事でしょう。平成16年6月11日改正、平成16年6月18日公布、平成17年3月7日施行の明治以来初の全面改正に至った新不動産登記法で、オンライン申請が導入されました。平成12年11月27日IT戦略会議が第2次森内閣に答申した「IT基本戦略」における電子政府構想の基、法務省でも登記手続きについてオンライン化を推進する事となり、現在に至っているわけでしたね。
この流れは言ってみれば必然的で、今の世の中、特にこれから先、ITを使わない行政手続きがある事自体考えられないのが世界の実情です。この改正で、当事者出頭主義の廃止、オンライン申請導入によりいちいち登記所へ足を運ばなくても登記の申請が法律上出来るようになりました。とても良い事です。
さて、それではこの電子政府構想に基づく登記法上のオンライン申請は、利用されているのかという現実問題があります。オンライン化になればそれだけ便利になり、関係者は喜ぶはずです。しかし、改正当初、登記法上のオンライン申請は残念ながら多くの法務事務所で普及しているとは言い難い現状がありました。IT戦略会議が答申した当時から時間が経っているのに、現在でも全面手的に普及しているとは言い難いのは何故でしょうか? それは、本来利用し易いはずのオンライ化した手続きが、利用するのに躊躇せざるを得ない原因があるからです。
その原因は ズバリ登記申請情報の却下に対する危険性の曖昧さです
「特例方式により提出された登記原因を証する情報の記載した書面の内容が、申請情報と併せて送信された登記原因を証する情報を記録した電磁的記録の内容と相違するときは、法第25条第5号の規定により申請を却下するものとする。」(平成20年1月11日法務省民事局長通達)が発せられました。この通達で、オンライン申請は危険な方式であるという印象を持ったのは私だけでしょうか? 特に「却下」という用語を不用意に使用した場合、当然のことながら、その反動で警戒心が出てくるのは当然です。
そして、日本政府の大方針の基、明治以来の大改正をした新不動産登記法で導入され、利便性を図ったオンライン申請であったばずが、当初は殆どの法務事務所が書面申請のままで、その申請方式を変えようとはしなかったのは皆さんもご存知の通りです。
何しろ、登記の申請が却下されたら、場合によっては、その申請をした法務事務所は大損害になり、更に、訴訟になる事は容易に想像が付きますが、それは大変な労力と資金が伴う裁判をしていかなければならない状況に追込まれ、その間、満足に業務をしていかれなくなる運命が待っているからです。この場合、一般的に法務事務所は廃業や解散せざるを得ない窮地に立たされる可能性があります。
この通達は、
絶対に間違いは許さない
と聞こえてなりません。この法務省民事局長通達の影響で、当然の事ながら日本政府の目指した電子政府構想は少なくても法務省民事局の所管では、達成が非常に厳しい状況になったのは、私達が少し前に目の当りにした通りです。当時の民事局長もこの通達の中の「却下」という用語がこれほどシビアーに影響するとは想像をしなかったのかもしれません。
実はこの民事局長通達の後、当時の日本司法書士会連合会会長より通知(平成20年12月12日付お知らせ)が発せられました。その中に、非常に重要な事が記載されていますので、ご存知の方も多いと思いますが、この場でもう一度確認したいと思います。
まず、
オンライン申請において 登記原因証明情報をPDFにて
提供する理由は 架空登記申請を防止する事
にあるという事を、(初めて)公に明らかにしたという事です。法制度というものは、その趣旨と何故その法律が存在するのかという立法事実がとても大事であり、その存在を支える根幹です。先の民事局長通達を見ただけでは、その文章のインパクトの大きさだけに目を奪われ、また、実務界では、そのインパクトがひとり歩きして、ただ、「オンライン申請は危険」という印象だけが周知される結果となってしまった感があります。現に、当時は書面申請をオンライン申請に変える法務事務所は少なく、圧倒的に書面申請という従来の実績のある申請方式を採用し続ける状況であったのです。
そして、当時の法務省民事局民事二課長より、このオンライン申請における登記原因証明情報のPDFでの提供の趣旨を踏まえ、日本司法書士会連合会会長宛に次のような連絡があったとの事を同通知の中で明らかにしています。法務事務所のスタッフの中にはご存知の方も多いと思いまが、その一部をこの場で改めてご紹介します。
PDFファイルに記録された登記原因証明情報の内容について字句の訂正が有る場合でも 訂正箇所が登記原因又は登記事項に関係のない部分にすぎない場合には 当該PDFファイルに付き 適法なPDFファイルの提供があったものとして事務処理を行うこととする
つまり、
登記原因又は登記事項に関する部分について 訂正又は記載に遺漏がある場合は却下する そうでない場合却下しない
というものです。
これは現場で登記実務をしている司法書士を初めとして、法務事務所のスタッフにとって非常に大事な指針となりました。少なくともこの通知により、オンライン申請における登記原因証明情報の提供趣旨と却下される場合のガイドラインが明確化したからです。
だだ、この日本司法書士会連合会の通知から、各法務事務所がオンライン申請を積極的に採用するには、相当程度に時間を要しました。最初の「オンライン申請は却下の危険がある」という荒唐無稽な心理がいつ迄も脳裏に焼付いて離れなかったのが原因であると思います。しかしその後、徐々にオンライン申請化が進み、今日では、私の感覚ですが、関東では2018年に急速にオンライン申請へと舵を切った法務事務所が増加したように感じます。その翌年の2019年には一部の法務事務所を除き、殆どがオンライン申請にアレルギーを持たなくなった印象です。
しかし、実は私はまだオンライン申請に疑念を持っている一人なんです。何故なら、先の民事局民事二課長からの日本司法書士会連合会会長宛の連絡では、
登記原因又は登記事項に関する部分に 訂正又は記載に遺漏が無い場合
そのオンライン申請は却下されない
という事になりますが、果たしてこの指針で全てを正しく言い切っているかという問題です。この指針だと、登記原因又は登記事項に誤りがあると却下される事になりますが、オンライン申請における登記原因証明情報を提供させる意義は、「架空登記申請の防止」が趣旨だったはずです。つまり、
登記原因又は登記事項に誤りがある事自体が問題ではない
のです。現在、全国の登記所ではオンライン申請の更なる普及に全力を上げているようです。色々は方法でオンライン申請の推進をされていて、それは良い事ですが、一番大事な事は、われわれ司法書士や法務事務所が申請した登記申請が、よく判らない理由で却下される危険性を無くす事です。このセミナーの冒頭で、
登記申請情報の却下に対する危険性の曖昧さ
を指摘しましたが、民事局長を初め、政府関係者は、司法書士を公に代表する日本司法書士会連合会等の意見をよく聴いて頂き、この電子政府構想の基、オンライン申請という有効な申請方式が、司法書士を初めとする関係者に疑念なく受容れられるよう更なる改善をして欲しいと希望します。
そして、登記所の登記官を初めとする皆さんは、司法書士や法務事務所からの問合せに、納得いく説明が出来るよう心掛けて欲しいと思います。間違っても、問合せをした司法書士が、オンライン申請は止めて、書面申請に変えようと思うような曖昧な回答だけはしないようにと。
司法書士や法務事務所は、登記官や登記事務官のいる登記所とは対等であるという事を忘れないようにして欲しいと思います。
何故なら、法務事務所(現場部門)と登記所(記録管理部門)は、互いに相互に補完し合って、この登記制度というスキームを維持している者同士であって、対立する関係ではないのですから。
オンライン申請という申請方法が、全ての司法書士や法務事務所で安心して利用できる方法になり、不動産登記法務が日本の電子政府の中で最も優れたIT手続きであるようになる事を願っています。
今回のセミナーは、新春という事もあり、メッセージも込めたお話になりました。不動産関係者や金融機関の皆さんにとっても、登記申請には危険が潜んでおり、厳しい実情も垣間見えたのではないでしょうか。
今回のセミナーはここ迄とします。今回もこのセミナーに参加頂き有難う御座いました。